お店がひいきをすることについて 渋谷公平(東京都在住 )
はじめまして。私は、このホームページを主宰している志民さんの友人の渋谷と申します。ある月刊の料理雑誌で編集者をしています。仕事では主に家庭料理の作り方ページの編集に携わっているのですが、私生活ではその反動なのか、外食癖、レストラン中毒とも言える症状に陥っており、ここ数年、普通のサラリーマン、普通の年収の30代半ばの人間としては、いささか過剰な私費を投じて食べまくっております。

当然、何人もの食べ友達がいるのですが、その仲間のうちで、ここのところ論議になっている問題があるのです。それは、「お店が特定の客だけひいきするのは是か非か?」ということです。

当然のことですが、ほとんどあらゆるお店に常連客というものが存在しています。そして有名店、中でもそこの料理人の知名度が高いお店ほど、常連客たちは「自分がそこの顔であること」を見せたがり、「出来ることなら特別なサーヴィスを受けたい」と思いがちです(もちろん、そんな人ばかりとは限りませんが・・・)。

「ひいきをする店は、それだけで程度が低い。そういう店を評価するマスコミが多すぎるのも最低!」

と言うのは、志民さんと同業者、料理カメラマンのO氏。彼に言わせると、どの客にも分けへだてなく接することのできるのが、お店の最低条件だそうです。

「ひいき? そりゃ、当然するよ。だって、初めてうちに来た人と、毎週来てくれる人が両方同時に店にいたらどうする? 毎週の客の好みはしっかりわかっているわけだから、少しでもその人が旨いと思ってくれるものを作ろうと、一生懸命になるでしょう! 当然、そっちに力が入るでしょう」

これは五反田のフランス料理店のオーナーシェフのT氏。シェフは客の下に客を作らず、というわけにはいかないのは、自然の摂理というわけです。

よくマスコミに取り上げられるお店の中で、大絶賛の人と、声を上げて罵る人、その両方が存在するタイプというのがあります。思うんですが、たぶんこのタイプのお店にはあるんでしょうね、誰からもわかりやすい“ひいき”というやつが・・・。

実は、そんな賛否両論店の一軒に、あさって初めて行くことになっているのです。場所は六本木、ジャンルはイタリアン。一緒に行くのは、自他ともに認めるそのお店の常連さんです。

もし、この文章を読んでくれる方がいらっしゃるのであれば、次回はこのGというレストランの食後の感想文をお届けしたいと思います。

ちなみに私、渋谷のひいきに対する現時点での気持ちですが、まあこんなところです。

「ひいきはされたい、でも、めだたず、ちょっとだけ」。